社会福祉士(しゃかいふくしし、英Certified Social Worker)は、「社会福祉士及び介護福祉士法」により位置付けられたソーシャルワーカーの国家資格。
創設当初は、主に高齢者を中心とした福祉施策分野のみを活動領域とする位置付けであったが、現在は保健医療分野における医療ソーシャルワーカー(Medical
Socialworker ; MSW)の基礎資格としても認知されてきており、将来的には保健、医療、福祉の分野に止まらず教育、産業、司法分野においての活躍も期待され、横断的かつ包含的なソーシャルワーカーの国家資格として発展していくことが期待されている。
一方で、資格を取得しても医師のように業務独占ではなく、名称独占資格であったため、社会福祉士としての業務を実践する職場が非常に少なく問題となっていた。名称独占にとどまっている理由としては、福祉の仕事は歴史的に家族などの資格がない人々が担ってきたため、このような仕事を法律で規制することは、家族やボランティアの援助行為を規制することにつながるおそれがあるからである。かつて介護保険施設では、相談業務は介護支援専門員、現業部門では介護福祉士の有資格者が優遇されやすく、資格が生かされないケースも少なくなかった。また国家資格としては後発の精神保健福祉士の方が業務目的が明確との声もあり、社会福祉士の資質の向上と地位の向上が必要とされている。
2006年4月より介護保険制度における「地域包括支援センター」では総合的な相談業務を業務独占で社会福祉士が担うこととなった。このほか社会福祉士は成年後見制度の後見人として、また組織に属さない「独立型社会福祉士」として地域住民の福祉に関する相談活動の展開がなされ、注目されている。
なお2005年に倫理綱領を改定し、適用している。それは、国際ソーシャルワーカー連盟に加盟している日本のソーシャルワーカー職能4団体(日本ソーシャルワーカー協会、日本医療社会事業協会、日本社会福祉士会、日本精神保健福祉士協会)で組織する「社会福祉専門職団体協議会」で3年間かけて検討されたものである。
■国家試験
国家試験は年1回で1月に行われ、合格率は概ね30%弱である。 また、合格基準点は合格率に会わせるため概ね80-95点程度と幅があるのが特徴である。
■試験科目
社会福祉原論
社会保障論
老人福祉論
社会福祉援助技術
障害者福祉論
児童福祉論
地域福祉論
公的扶助論
心理学
社会学
法学
医学一般
介護概論
※試験はマークシート式で行われている。